stand by me
 ゴーディ・ラチャンスは、「弁護士クリス・チェンパーズ刺殺される」という新聞記事を目にした。クリスは、ゴーディの少年時代の親友だったのだ。彼が12歳だったころ、オレゴン州キャッスルロック、ゴーティはこの田舎町で生まれ育った。彼とクリス、テディ、バーンの4人は、いつも一緒につるんでいた。行方不明になっている少年の死体の居場所が分かったという事を兄から盗み聞きしたバーンは、仲間の3人に話をした。4人は「死体を見つければ英雄になれる」と考えたのだ。兄たちの制裁を振り切って線路づたいを歩いて死体探しに出かける。果たして死体はあるべきところにあった。リーダー格のクリスとひ弱な少年ゴーディは旅の途中、野宿で過去を打ち明け心から打ち解けられる親友となったのだった。
 1950年代末期を舞台にノスタルジックな少年の青春を描いた映画の傑作として有名である。モダンホラーの帝王スティーブン・キングの非ホラー集「恐怖の四季」の4つの中篇小説中に収められた秋の物語「THE BODY(死体)」の映画化である。
 オレゴン州の小さな町キャッスルロックに住む、それぞれ心に傷を持った人の少年たちが好奇心から、線路づたいに死体探しの旅に出るという、ひと夏の冒険を描いている。ちなみに、原作ではキャッスルロックはメイン州に存在する。アカデミー脚色賞にノミネート。ゴールデングローブ賞を受賞した。また、この映画で使われたことによりベン・E・キング が歌う同名の主題歌もリバイバルヒットした。現在でも評価は高くマニアは「人生において二度観る映画」と有名だ。一度目は少年時代に、二度目は大人になってから。
 監督は、ロブ・ライナー。なにが起きてもおかしい年頃、よく笑い、ささいな事で怒り、突然不安に襲われたりする、それは4人それぞれが心に傷を持っていたからだ。少年期特有の心情がつぶさに描かれており、少年時代の田舎の原風景をうまく背景にして、ノスタルジーを強調する。かつては誰もが少年だった、そんな男たちの琴線に触れてやまない一編である。そして、主題歌が、何にもましてこの作品の切なさを代弁している。
 スティーンブン・キングの他の多くの作品と同様に、原作は舞台がメイン州だが、映画では風景を重視してオレゴン州に変更され、撮影もオレゴンで行われた。2005年に発売されたDVDには2005年時点のスタッフやキャストのインタビューが収録されている。勿論、リバー・フェニックスは既に死去しているが、他のスタッフやキャストが彼について語っている。日本では嵐の相葉雅紀・二宮和也・松本潤や生田斗真、Ya-Ya-yahなどのジャニーズタレントによるキャストで舞台化されている。また市川海老蔵がクリスを演じたこともあった。
 今でこそ、『ショーシャンクの空に』や『グリーンマイル』などスティーブン・キングの非ホラー作品も普通に映画化されるようになったが、当時は非ホラー作品を映画化することは非常に勇気のいることだったようだ。小説に知性が感じられたからロブ・ライナーは映画を決意したという。4人の個性が力強く描かれており、キャラクター作りは容易だったとらしい。そしてその4人の個性を見事に演じて見せた4人のキャラクターがさらに作品を固めていったと感じる。脇を演じる兄のキーファー・サザーランドもいいし、大人になったゴーディをわずかな時間ながら繊細に演じたリチャード・ドレイファスもとてもいい。
 リバー・フェニックスが23歳で死去したとき「『スタンド・バイ・ミー』で煙草を吸う少年を演じて一躍有名になったリバー・フェニックス」と各新聞紙が挙って書いた。この映画では、もちろん、秘密の木の上の小屋で4人がカードゲームをする時、煙草を吸うが、確かに印象的なシーンではある。しかし、何といっても醍醐味は、野宿のシーンでゴーディにクリスが過去を語るシーンだ。いつも給食費を滞納しているクリスが何とか金策して持ってきた給食費を担任の女性教師がねこばばして翌日新しいスカートをはいてきたと打ち明けるのだ。誰もが、いつも給食費を払わないクリスの方が嘘をついていると疑う。彼はその時の悔しさを忘れず、弁護士になってみせると決意するのだ。がき大将のクリスが泣いて打ち明けるシーン、ここで既にリバー・フェニックスは大輪の花を咲かせる予感をさせる演技をしているのだ。

◎作品データ◎

『スタンド・バイ・ミー』
原題:Stand by Me
1986年アメリカ映画/上映時間1時間29分/コロンビア映画配給
監督:ロブ・ライナー/製作:アンドリュー・シェインマン, レイノルド・ギデオン, ブルース・A・エヴァンス/原作:スティーブン・キング/脚本:レイノルド・ギデオン, ブルース・A・エヴァンス/音楽:ジャック・ニッチェ/撮影:トーマス・デル・ルース
出演:ウィル・ウィートン/リバー・フェニックス/コリー・フェルドマン/ジェリー・オコネル/キーファーサザーランド
 
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